バーコードについて
バーコードとは
バーコードは商品やサービスを識別するために使用される機械可読コードであり、縦線(バー)と数字・文字の組み合わせで構成されています。 現代の商取引や物流管理、在庫管理など、様々な分野で広く利用されています。
主なバーコード規格
JAN/EAN コード

JANコード(Japanese Article Number)は日本の商品識別コードで、国際的にはEANコード(European Article Number、現在はInternational Article Number)として知られています。 主に小売業で使用され、8桁(JAN-8)または13桁(JAN-13)の数字から構成されます。最後の1桁はチェックデジットとして使用され、読み取りエラーを防ぎます。
構成: 国コード(2〜3桁) + メーカーコード(4〜5桁) + 商品アイテムコード(3〜5桁) + チェックデジット(1桁)
例: 4901234567894(日本の商品の場合、先頭の「49」は日本の国コードを表します)
UPC コード

UPCコード(Universal Product Code)は主に北米で使用されている商品識別コードです。 UPC-Aは12桁、UPC-Eは短縮版で8桁から構成されています。JANコードと互換性があり、UPC-AはJAN-13の一種でアメリカの国コード「0」を省略したものです。
構成: システム番号(1桁) + メーカーコード(5桁) + 商品アイテムコード(5桁) + チェックデジット(1桁)
例: 012345678905
CODE 39

CODE 39(コード39)は英数字と一部の特殊文字を表現できる可変長バーコードです。 アスタリスク(*)がスタート・ストップキャラクタとして使用され、チェックデジットはオプションです。 産業分野や物流管理などでよく使用されています。
特徴:
- アルファベット(A-Z)、数字(0-9)、特殊文字(-. $/+%)を表現可能
- 自己検査機能あり(チェックデジットはオプション)
- バーの太さの組み合わせで文字を表現
例: *ABC-1234*
ITF(インターリーブド 2 of 5)

ITF(Interleaved 2 of 5)は数字のみを表現できる産業用バーコードで、必ず偶数桁の数字で構成されます。 2つの数字を互いに組み合わせて(インターリーブして)効率的にエンコードする方式で、段ボール箱などの物流識別によく使用されます。
特徴:
- 数字のみ表現可能
- 常に偶数桁(奇数桁の場合は先頭に0を追加)
- 最後の1桁はチェックデジットとして使用されることが一般的
- 高密度エンコードが可能で読み取り効率が高い
例: 0123456789
チェックデジットとは
チェックデジットは、バーコードの読み取りエラーを検出するために使用される検証用の数字です。 バーコードの他の数字から特定の計算方法で算出され、読み取った数値が正しいかどうかを確認するために使用されます。
主なチェックデジット計算方法には以下のようなものがあります:
- モジュラス10(重み3-1): JAN/EAN、UPCなどで使用
- モジュラス43: CODE 39などで使用
- モジュラス10(重み3-1): ITFなどで使用
当サイトの「バーコードチェックデジット検証ツール」では、これらの計算方法を用いてバーコードのチェックデジットが正しいかを検証できます。
バーコード関連の公式・信頼性の高いサイト
バーコードに関する詳細な情報や最新の規格については、以下の公式サイトや信頼性の高いリソースを参照してください。
- GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター) - 日本のGS1加盟組織として、JANコード(GTIN)やバーコードの標準化と管理を行う公式機関。
- GS1事業者コード・GTIN(JANコード)について - JANコードの仕組みや登録方法について詳しく解説。
- JANシンボル | GS1 Japan - JANシンボルの規格や表示方法について詳細な情報を提供。
- JAN | バーコード講座 | キーエンス - JANコードの基礎知識をわかりやすく解説。
- ITF | バーコード講座 | キーエンス - 物流用バーコードITFの基礎知識と規格について解説。
- GS1-128 | バーコード講座 | キーエンス - 物流情報や商取引情報を表示するためのGS1-128バーコードについて詳細に解説。
- ITF(INTERLEAVED 2 of 5)| 一般社団法人 日本自動認識システム協会 - ITFバーコードの詳細仕様と規格について解説。
バーコードの歴史
バーコードの歴史は1949年に遡ります。アメリカの技術者ノーマン・ジョセフ・ウッドランドとバーナード・シルバーが、食料品店のレジ業務を効率化するために特許を申請したのが始まりです。 しかし、実用化されたのは1970年代に入ってからで、1974年6月26日にオハイオ州の食料品店で初めてUPCバーコードが使用されました。
日本でJANコードが導入されたのは1978年で、当初は輸入品を中心に使用されていましたが、徐々に国内商品にも普及していきました。 現在では、ほぼすべての商品にバーコードが付けられており、流通・小売業では欠かせない識別技術となっています。
最新のバーコード技術
近年では、従来の1次元バーコードに加えて、2次元コードも広く普及しています。代表的なものにはQRコード、DataMatrix、PDF417などがあります。 これらは従来のバーコードより多くの情報を格納でき、スマートフォンなどで簡単に読み取ることができるため、様々な用途で活用されています。
また、電子タグ(RFID)やNFCなどの非接触型識別技術も発展していますが、コストや利便性の観点から、バーコードは依然として重要な役割を担っています。